
特注・導入事例 | 株式会社レールテック
ユーザーのリアルな声をお届けする「Bi Rodユーザーインタビュー」。
今回は、主にJR西日本管内の総延長約5,000kmの鉄道輸送の基盤をなす施設(線路・トンネル・橋りょう・土工等設備・駅)の維持管理を行っている、株式会社レールテック様に特注仕様のBi Rod導入について詳しくお話を伺いました。
お話を伺ったのは、構造物本部 構造物技術部 技術リーダーの時長 潤さんです。構造物本部は、橋りょう、トンネル、盛り土、駅ホームなどの構造物の維持管理を担う部署です。

■会社情報|株式会社レールテック
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社名:株式会社レールテック
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設立:1992年4月1日
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本社所在地:〒532-0011 大阪府大阪市淀川区西中島五丁目4番20号中央ビル3階
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事業内容:建設業(線路保守工事)、建設コンサルタント業(軌道・鉄道土木構造物の検査・調査・診断、道路橋点検、工事監理業務)、線路保守用大型機械メンテナンス、計量証明事業(列車走行時の騒音・振動測定)
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所属グループ:JR西日本グループ
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ホームページ:https://www.railtec.jp/
レールテック様が、現場の安全性と効率化を追求する中で、Bi Rodをどのように活用しているのか、詳しくお話を伺いました。
高所作業の危険をどう回避?Bi Rod導入の決め手とは
Bi Rod導入前は、一般的である高所作業車、脚立、伸縮式梯子を用いて、橋りょう・高架橋の検査・調査を実施していました。しかし、毎回の高所作業車手配は非効率である上、高所で脚立、伸縮式梯子を用いると墜落リスク等が伴うことから、「安全」かつ、さらなる「省人化」・「省力化」ができないかと考え、Bi Rodを導入しました。
地震後のインフラ点検にも。現場でのBi Rod活用法
主に橋りょう・高架橋の「桁座部(けたざぶ)」を検査・調査するため、弊社が技術開発した撮影治具をBi Rodに取り付け使用しています。
「桁座部」とは、橋や高架橋などで橋げた(桁)と橋脚・橋台(支える柱や土台)をつなぐ部分のことを指します。
ここは、列車の重みや揺れ、気温の変化による伸縮などを支えるため、安全性や耐久性の観点から定期的な点検が必要な重要箇所です。
桁座部(けたざぶ)イメージ
撮影治具
現場での撮影方法・撮影画像
最近では、能登半島地震後の影響を調べるため、JR西日本およびIRいしかわ鉄道から委託を受け、桁座部等に異常がないか確認しました。
普段の検査・点検同様11mまでの高架橋はBi Rodと弊社の撮影治具を使用し、スクリーニング(大まかに点検)することで、「機械コスト減」「省人化」「省力化」に大活躍いたしました。
建設から100年以上が経過した橋にて、実際の作業風景を取材しました。
現場では、レールテック様が技術開発された撮影治具を使用し、安定した撮影が行えるよう工夫が施されていました。
突っ張り棒のように上部を橋りょうの部材に押し当てて固定できるほか、下部のパーツを引っ掛けて使用することも可能で、非常にユニークな構造だと感じました。
特注品開発の経緯
更なる幅広い点検・検査の活用に向け11箇所の現場事務所にBi Rod11.5mを配備しようと考えましたが、鉄道には線路上空に電車線が設置されており、新幹線の場合はAC25kvの電気が通っているため、万が一触れ、感電する恐れを考慮した絶縁対策が当時議論になりました。
11.5mタイプのBi Rodはフルカーボン製しかなく、電気を通すことから、電気絶縁性のあるグラスファイバー製11.5mを特注で作製依頼しました。試作完成後に現場で検証すると、しなりが大きく現場作業には適しませんでした。
そこで剛性と耐電圧仕様も考え(上カーボン/下グラスファイバー)を提案し、再度試作品の作製を依頼しました。そして再度現場検証・耐電圧試験を行い、問題がなかったことから本格的製作を依頼しました。
特注仕様
全長:11.5m
段数:10段(上段7段:カーボン100%、下段3段:グラスファイバー100%)
納品本数:12本
材質 | 特徴 |
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カーボン | 電気を通す/丈夫でしなりが少ない |
グラスファイバー | 電気絶縁性があり/しなりが大きい |
上記の特徴を活かし、カーボンとグラスファイバー(※)を組み合わせたハイブリッド仕様とすることで、安全性と使いやすさの両立を実現しました。
※本記事に使用されているグラスファイバーロッドは耐電圧用特別仕様のものです。
ノーマルのグラスファイバーロッド
6G-7500/6G-4500/6G-2000には一部通電するカーボンが含まれており絶縁性能はございません。
絶縁性のあるロッドをご希望の場合は、お手数ですがお問い合わせください。
Bi Rod担当者とのやりとりはいかがでしたか?
今回、初の特注でしたが、ご連絡した際は担当者様が快く承諾していただき、お客様目線に立って馴染みのない弊社の業務を理解する姿勢に安心感を得られました。
また度重なる試作品製作や耐電圧試験など多くのご協力いただき、納得のいく特注仕様が完成しました。
編集後記
高所点検や災害対応など、命に関わる現場でBi Rodが活用されていることを改めて実感しました。
株式会社レールテック様、貴重なお話をありがとうございました!
●Bi Rodと合わせてご利用いただいている「橋りょう検査用治具」詳細はこちら
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